はじめに
なぜ価格は思うように動かないのでしょうか。
それは予測不可能な人間のココロに原因があります。
その人間のココロを分析する手法がテクニカル分析です。
今回はテクニカル分析を扱う上で、事前に知っていて欲しい内容を紹介します。
予測クイズ
突然ですが問題です。
以下の図は、ドル円・60分足のチャートです。
1日後、どのようなチャートになっているでしょうか?
答えは[まとめ]で発表します。
引用 YJFX!
この予測するという作業がテクニカル分析の基本であり、
- 移動平均線
- 一目均衡表
- MACD
- RSI
は分析をサポートする役割を果たします。
そして先ほども触れましたがテクニカル分析は、人間のココロを読むと言うことでもあります。
一体どういうことなのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
心をよむ2つの指標~トレンド系・オシレーター系~
テクニカル分析には①トレンド系と②オシレーター系の2つがあり、それぞれ以下のような特徴があります。
- ① トレンドの強さを読む:MACD、移動平均線など
- ② トレンドの転換を読む:RSI、ストキャスティクスなど
そして2つの指標は、
- トレンド系→買いたい人が沢山いる→だから買い注文
- オシレーター系→いっぱい買われているからそろそろ売られる→だから売り注文
と同じ価格でも、全く異なる投資判断をするのが特徴です。
このように買いたい人と売りたい人の気持ちの大きさを数値化して、人間のココロを読んでいきます。
判断方法は十人十色
トレンド系・オシレーター系の区別からも分かるように、テクニカル分析とは占いのような性質があります。
それゆえに判断方法が一つではないと言うデメリットがあります。
冒頭であげたクイズでも価格が上がると思う人・下がると思う人で意見が分かれますし、それはテクニカル分析を駆使するプロであっても同じことです。
なぜなら、
- ① テクニカル指標のシグナルは、同じ価格でも時間足によって異なる
- ② 投資家によって使用する指標が異なる
からです。
①は短期では上昇局面、長期では下降局面の場合があげられます。
この時、
- 短期トレーダー:買い注文
- 長期トレーダー:売り注文
という判断になります。
全てのトレーダが短期売買であれば買いだけが集まりますが、私のように長期売買のトレーダもいるので、100%の的中するという保障がないのです。
また②では、トレンド系を好むトレーダーはオシレーター系を無視する傾向があります。
例えばある時間帯にトレンド系重視のトレーダーが多数いた場合、どんなにオシレーター系の強いシグナルが出ていても、分析通りにはいかないのです。
人間のココロを読むのに100%はない
このように価格はさまざまな趣味・趣向を持つ人々によって形成されますので、思惑通りに動くとは限らないのです。
大切なのは、
- 判断を過信しないこと
- 100%的中する必勝法はない
と、心に刻むことです。
つまり思惑と外れたときに備えたリスクコントロールが重要になります。
また人間のココロそのものが、信用できないと言う特徴があります。
入念に分析をしていても、いざ相場を目の前にすると感情的な判断が邪魔をしてしまいます。
日常生活でもダイエット・禁煙など甘い誘惑と闘っている私たちですが、それは投資の世界でも同様に発生するのです。
プロトレーダーも結局は人間
ここでひとつ、テクニカル分析の原点を知る書籍を紹介します。
テクニカル分析に直接関係するものではありませんが、プロトレーダーでも思考回路の大部分が感情に支配されていることが理解できます。
例えば損切りができない心理は、プロ・アマ問わず共通する悩みです。
事前に損切りラインを決めて必ず実行すると固く誓っても、直前になって取り消してしまう経験は誰にでもあります。
しかしこれは生まれつき備わった本能ですので、プロでも完全に払拭することはできないのです。
[st-kaiwa3]本能が投資判断を邪魔する例は以下でもあげています。
【国内】 追証ありは天使の顔をした悪魔―損大利小がもたらす悲劇―[/st-kaiwa3]
予測精度を上げる方法
投資において100%は残念ながらありませんが、それに近づける方法は存在します。
それは、
- ① 一つの時間足だけでなく複数の時間足で分析する
- ② トレンド系・オシレーター系、両方の指標を使用する
- ③ ファンダメンタルズ分析も活用する
の3つです。
①は短期・長期が同じトレンド形成をしていると、予測精度が高くなります。
例えば「1分足・60分足・日足が同じ形になったときに注文をする」など、マイルールを持つことがオススメです。
②は強いシグナルが出ている指標に価格が動く傾向があります。
例えば、トレンド系がオシレーター系よりハッキリしたチャート形成だった場合、今後の投資判断はトレンド系を重視していくのです。
③はファンダメンタルズ分析を同時利用することで、ダマシを見抜くことができます。
ダマシとはテクニカル分析の結果と異なる値動きをする現象のことで、その理由はテクニカル分析を上回る材料が発生するからです。
そしてその材料が、ファンメンタルズ分析つまり経済の基礎的条件である可能性が高いのです。
[st-kaiwa3]ファンダメンタルズ分析についてはこちらをご覧ください。
【ファンダメンタルズ分析】通信社5つとそれを扱うFX会社[/st-kaiwa3]
まとめ
先ほどの[予測クイズ]の答えです。
引用 YJFX!
ここで大切なのは正解の有無ではなく、投資家心理を読み解くという作業そのものにあります。
どんな分析手法でも100%は残念ながらありませんが、だからといって勉強をしなくて良いというわけではありません。
予測精度をあげるために日々努力し、チャートに触れる機会を作っていきましょう。
また今回クイズで取り上げたチャート画像はYJFX!のもので、テクニカル分析に大変優れています。
私NAOMIも愛用していますので、ぜひあなたも利用してみてくださいね。